フィッチングより帰還す -1-

フィッチングしてきまんた。

発注もしてきまんた。

これから残務です。

……

「かなり混むときもありまして、
営業時間内に試打できない方もいらっしゃいます……

ゴルフ売り場の担当氏は一昨日の総務の電話問い合わせに、
そう答えてくれた。

ならば……。

開店早々にうかがおう。

ちゃちゃっとフィッチングを済まして、
午後から残務をしよう。

そう決めたアタシは、
8時過ぎに家を出た。

事前に調べておいたとおり、
順調に旅程をこなすと、
時間どおり開店20分前に、
フランク永井さんの聖地に降り立った。

ゴルフ売り場はB2。

一階の入口に立つ警備員氏に聞くと、
B2にも入口があるという。

総務の心には
「フィッチングを待つPINGフリークが、
ゴルフ売り場に殺到する之図」
浮かんでくる。

なのでなるべく売り場に近い地下入り口で待つことに。

するとそこにはやはり目が血走り、
いらいらと貧乏ゆすりをしながら、
開店いまや遅しと待つ集団約十数名。

おお、こいつらと戦うのか。

やってやろうじゃないか。

高校時代はフットボールのラインで、
相手のオフェンス陣に常にプレッシャーをかけてきたアタシである。

いざとなったらこのうちの一人や二人、
怪我をさせても構わない。

「ぶっ殺してやるぅ!!

ドラゴンボールのドドリアのような雄叫びを上げようとしたが、
なんか違う。

ゴルファー臭が全くない。

行列の先頭に陣取る無精ひげの青年は、
口にだけディスポのマスクをかけて、
猫背気味にスマホをいじっている。

ふと彼の前をみると、
「予約販売の方はこちら」
の貼り紙が。

きっとカメラとかスマホとかの新機種かなんかを買おうとする人たちなのだ。

全身に湧きあがったアドレナリンの渦が急速に鎮静化した。

その列の反対側には中年カップルが早口の中国語で喧嘩をしている。

こいつらも敵ではなさそう。

あとは子連れのおとうさんがいるだけで、
どうもフィッチングに来たのは総務だけらしい。

……

ガー、っとシャッターが開いて、
「いらっしゃいませ、開店の時間です
の放送が流れると、
待っていた集団は店内思い思いの方向へ散って行った。

結局、ゴルフ売り場には総務だけ。

開店早々ゴルファーが訪れることがないのか、
ゴルフ売り場には店員さんもいない。

ちょっと離れたところに立っていた、
つじあやの似のお嬢さんに、
「あの、PINGのフィッチングに来たんですけど…

そう告げると、
「はい、少々お待ち下さい

……

これまでの経験から、
大学ゴルフ部出身的な、
「ちょっとゴルフ上手いぜ、オレ
風のフィッター氏が来ると思って待っていたら、
なんと可愛らしい女店員さんが走ってきたのだった。






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